明治維新と日本の近代化。「脱亜入欧」に代表されるように、日本は文明だけでなく文化についても西洋に接近しようと懸命だった。住宅で言えば、洋館と洋室がその象徴だ。その勢いからすれば、和室はとうに消え去っていてもおかしくなかったのではないか。しかし和室は、その姿を変えながら、力強く日本人の暮らしとともにあり続けた。その力強さの秘密はどこにあったのか。新・和室学のシリーズ第6回は、日本の住宅の近代史をフィールドにされてきた神奈川大学建築学部長である内田青蔵さんにその答えをお聞かせ頂きたいと思う。内田さんから以下のコメントを頂戴しました。ご紹介いたします。
明治期から戦前期にかけての欧米化という近代化の中で、住宅はどのように変化・発展してきたのか。今回は「『和洋折衷』という発明」というタイトルで、大正期以降の建築家たちの提案、すなわち、伝統的住宅を否定するのではなく、どう発展させていくのかという考えのもとで行われた様々な試みの中で、“和室”や“床座という生活スタイル”が積極的に継承されてきたこと、また、その戦前期の和洋折衷の過程の中で伝統的な“和室”の形式が変質し、やがて戦後の床座の家具化や家具の床座化といった新たな“和室”の動きを誘発させていったという私論を紹介してみたい。
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チケットの購入期限は当日6月23日の18:00までとさせていただきます。
local knowledge 編集部(スタイル株式会社)
1953年秋田県生まれ。1975年神奈川大学工学部建築学科卒業。1983年東京工業大学大学院工学研究科博士課程満期退学。工学博士(東京工業大学)。現在、神奈川大学建築学部長。専門は、日本近代建築史・日本近代住宅史。著書に、単著『新装 お屋敷拝見』河出書房新社、2017年、『日本の近代住宅』鹿島出版会、2016年、『お屋敷散歩』河出書房新社、2011年、『間取りで楽しむ住宅読本』光文社、2005年、『同潤会に学べ』王国社、2004年など。共編著『横浜建築』御茶の水書房、2021年、『住居文化の衝突と融合-外来近代住宅100年話』ソウル研究院出版、2021年、『住まいの生命力-清水組住宅の100年』柏書房、2020年、『東アジアにおける租界研究3-その成立と展開』東方書店、2018年、『受け継がれる住まい』柏書房、2016年などがある。
1957年生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。現在、東京大学大学院工学系研究科特任教授。著書に“Open Architecture for the People”Routledge、2019年、『空き家を活かす』朝日新聞出版、2018年、『ひらかれる建築-「民主化」の作法』筑摩書房、2016年、『建築再生学』市ヶ谷出版社、2016年、『建築-新しい仕事のかたち 箱の産業から場の産業へ』彰国社、2013年、『箱の産業』彰国社、2013年、『団地再生』彰国社、2001年、『「住宅」という考え方-20世紀的住宅の系譜-』東京大学出版会、1999年、『「住宅ができる世界」のしくみ』彰国社、1998年など。
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